「キミはバカだから、ちゃんと伝わるかな…?」
「なっ、せっかく感動的なこと言ってるのにバカにする!」
「あははっ、自分でそんなこと言うなんて、やっぱりキミはバカだ」
もう……!
頬を膨らまして怒るけど、キミはとても自然な笑顔で笑うから、怒ってる自分がバカバカしくなった。
「ねぇ、僕がキミのこと、どれくらい大切に思ってるかわかってる?」
「……へっ?」
「今すぐ、キミを僕のものにしてしまいたいくらい」
意地悪に笑ったキミは……
「……っ」
私に優しくキスをした。
「よし、戻るよ。どうせあのお人好しの大和が心配して待ってるんでしょ」
「あ、そうだ……」
あんなに必死だったんだから、大和くん、心配してるに決まってるよね。
悠陽ちゃんも、心配してるに違いない。
「あー心配して損した」
「……えっ、ええ!?」
校舎の影から出てきたのは大和くんで、その後には悠陽ちゃんがいて。
「うるさい」
当たり前のように答える玲央くんは、大和くんたちに気づいていたんだろうか。
「よかったね、茉莉」
「うん、ありがとう悠陽ちゃん」
私の背中を押してくれた悠陽ちゃんに、1番にお礼を伝えたかったから、よかった。
いつの間にか花火は終わっていて、校庭の方では声がざわつき始める。
この後は、楽しかった余韻に包まれながら、帰るんだろう。
「それにしても玲央って、見かけによらず責めるよね。俺達がいるの知っててキスなんて」
「……そ、そうなの!?」
「悪い?」
わ、悪いも何も……
恥ずかしすぎる!
赤面する私の顔は、きっと暗闇でバレていないはず。
「じゃあ、帰ろうか」
と大和くんの一言で、ふたりが後ろを向いた途端。
「茉莉」と耳元で名前を呼ばれ、ドキッとしながら玲央くんの方へ振り返る。
「僕のそばから離れたら、許さない」
そう言って軽く触れた唇は、今まででとても甘いキスでした。
恋をするとこんなにも苦しくて、幸せな気持ちなんだと。
教えてくれたのはキミでした。
覚えていて、玲央くん。
キミの世界からもし、色が消えても……
何度でもキミの世界を綺麗な色で埋め尽くしてあげるから。
小悪魔で優しいキミに
恋した私は……
今、とっても幸せです。
Fin.
まず初めに。
『小悪魔なキミに恋しちゃいました。』
この作品をたくさんの作品の中から見つけてくださり、最後まで読んでくださったこと、ありがとうございました!
僕様系の男の子を書いてみたい……!
そんな思いから生まれた作品です(汗)
少しでも読者の皆様に楽しんでいただけたら、嬉しく思います。
さて、最後まで読んでくださった皆様にお知らせです。
この後の茉莉と玲央……
いつものように嫌がらせされてる?
それとも、甘ーい時間を過ごしてる?
ファン様限定で、その後の『小悪魔なキミに恋しちゃいました。』番外編!!を公開します!
同じ題名で検索していただくか、私のプロフィール欄から飛んで頂けたらと思います。
また玲央と茉莉に会いに来てくださったら嬉しいです。
では、また会える日を願って。
本当にありがとうございました。
2017.10.19
*乃々*