真人くんは、バイクか白いワゴン車でお店に来ている。

今朝、雨が降っていたこともあって、白いワゴン車だった。

車の前に立つと、真人くんが、助手席の扉を開けてくれた。

「どうぞ、座って!」

私は、ドキドキしながら、座った。

『男の人と二人きりで、車乗るのはじめてー!
というか、真人くんとこんなに近い。。』

シートベルトを持つ手も、なんだか震えてしまう。

どこを見ていればいいかも、分からない。

「出発するよ!」

「・・・おねっ、がいしまっす!」

なんだか、噛んでしまって、恥ずかしい。

理人くんの顔が見れないけど、少し笑っていたみたいだった。

しばらく、車を走らせると、観覧車が見えてきた。

夜空に、イルミネーションが光っていた。

今までも、夜の観覧車は見たことはあったけど、

こんなにキレイだなと思ったのは、初めてだった。

しばらく続いた沈黙を破ろうと、声を絞り出した。

「あっ、あのさ!観覧車キレイだね!!」

「そうだねー。夜のドライブは、いいよねー。」

真人くんから、ドライブという単語がでた。

『これ、ドライブなんだ!ドライブ=デート?!』

そんな言葉で、一気に、舞い上がってしまう。

「小森さん、イルミネーション、好きなの?」

特に、好きでも嫌いでもないけど・・・

「うっ、うん!好きだよ!!」

(真人くんのことが・・・)

「じゃあ、そんな小森さんに!
後ろ見てて!!」

私は、後部座席の方へ顔を向けた。

カチッという音の後に、天井にブルーライトが光った。

「どう?カッコいいでしょ~!」

真人くんは、自信満々の笑顔で言った。

『・・・これ、かっこいいのかな?!
怖い人の車にも、よく青いライトついてる。。』

良さがあまりよく分からなかったど、真人くんは気に入っているみたいだった。

「・・うん!そうだね!」

「でしょ?
小森さんとオレだけのイルミネーションだよ~」

「・・・そっか!」

嬉しくて、言葉がでなくて、顔も赤くなってしまった。

さっきのお店での発言といい、どんな気持ちで、言ってるんだろうと考えてしまう。

真人くんも恥ずかしくなったみたいで、話題を変えた。

「あっ!ガソリンスタンドがある!
ちょっと、寄らせてね~。」

「うっ、うん!わかった。」

ガソリンスタンドに入ると、店員のお兄さんが窓をふき、給油をしてくれた。

二人とも、黙っていた。