初めて会ったのは、大学に入学したばかりの春だった。

カフェの冷蔵庫に、《高梨真人 19歳》と書かれたメモが貼られていた。

浪人後、久しぶりのバイトにウキウキしていた私は、

『同い年の男の子が、入るんだー!仲良くなれるといいな~』

幸先が良いと感じていた。

メモが貼られてから、数日後、レジに男の子が立っていた。

少し長めの髪で明るい茶髪、背が高い。

薄いけれど、整った顔立ちで、ベース型の骨格。

頭にピンクのボーダーの布巾、黒いTシャツに、Gパン、グレーのギャルソンエプロンをしていた。

『ピンクが似合って、なんだかおしゃれだなー。
腕も筋肉があって、バンドマンみたいな雰囲気もある。』

男の子と目が合うと、

「はじめまして!高梨です!よろしくお願いします!!」

笑顔で挨拶してくれた。

『笑顔!すごいかわいいー!さわやか!!』

こちらも、思わず微笑んでしまう。

「小森です!同い年なんだよー!よろしくね!!」

なんだか、もう、笑顔にやられてしまった。

一瞬のことだった。

今でも、覚えている、キラキラした瞬間。

それから、気になる人になった。