娘を忌み嫌う父の目を盗んで、母は毎年誕生日の日にだけ地下牢に会いに行きました。



幼かったお姫様には、一年に一度だけ会える母に心を救われていました。



「おかあさま、いつになったらでられるの?」



「……ごめんね」



娘の頬をそっと撫でると問いには答えず、母は地下牢を去って行きました。