「おはよ。」
乃々香の席の隣を通った時、いつもの様に挨拶された。
「ん、おはよ。」
喋ってくれないかなと思ってたから少し嬉しかったりする。
乃々香、いつも通りだな。
よかった。
それよりさっきの大輝の言葉、本当なのかな。
本当に付き合ってんのかな。
乃々香に聞いたら分かるんだろうけど、もし正解を貰ったら……。
やめよ、考えるのはやめよ。
他の話題…、そうだ、クラス替えどうなるんだろう。
今は誰とも喋りたくないから話しかけられないようにと、机に寝そべりながらそんなことを考えていた。
暫くしてHRが始まった。
先生のいつもより長めの挨拶の後、先生は生徒一人ずつのクラスを読み上げた。
「出席番号順に言うぞ。浅野、3組。伊藤、2組。上田ーー」
やべぇ、ドキドキする。
みんな同じなのか教室は静かになった。
俺は伏せたまま先生の言葉に耳を傾ける。
「河本、4組。」
俺は4組か。
少しずつ教室が騒がしくなってきた。
「杉原、」
あ、乃々香だ。
やけに言葉が遅く聞こえた。
「4組。」
…一緒。
だめだ、口元が緩む。
心の中で小さくガッツポーズをした。
「じゃあ、今言ったクラスに移動。もう忘れたって人がいたら前に紙置いてるから。」
先生の言葉に皆一斉に動き始めた。
他クラスも混じって騒がしさは増し、俺も何人もの友達に何組だった?と声を掛けられた。
そこに大輝も来て、4組だったと告げられた。