「明日ぐらいに文化祭の企画、出来れば決めたいから何か考えといてね。なんか案があれば後ろの黒板にでも書いて。」
帰りのHRの終わりに先生が言った。
もうそんな時期か。
帰りの準備をしながら、去年の文化祭を思い出した。
楽しかったなぁ。
「乃々香、文化祭!楽しみ過ぎるんだが。」
愛梨は早々と準備を済ませ、私の席へと来る。
「ほんまそれ!去年楽しかったしね。」
去年私たちのクラスは、夏祭りをイメージしていろんなゲームを用意した。
射的と輪投げ、スーパーボールすくい、ボウリング。
文化祭当日は勿論、準備も片付けも全部楽しかった。
「企画何がいいかな。」
「んー、普通にお化け屋敷とかやってみたい気もする。」
去年やってる所が2クラスあって、人多くて1クラスしか行けなかったけど、レベル高かったなぁ。
愛梨と文化祭回ってたんだけど、二人で叫びまくったし。
「準備大変そうじゃね。」
会話を聞いていたのか、後ろにいた春馬が口を挟む。
「いんじゃね、準備も楽しいし。」
その隣には大輝もいて、自然と四人で話す流れとなった。
「そうだけど、楽に越したことはない。」
めんどくさがりやめ。
「じゃあ春馬は何がいん?」
大抵何やっても準備は大変だと思うけど。
「ゲームセンター的な。永遠にテレビゲームとかいろんなゲームする。」
「いや、無理でしょ。」
春馬の答えを愛梨が直ぐに切った。
「そんなん申請通らんわ。」
「てかそれは家でしろ。」
私と大輝もそれに続くようにつっこんだ。
あまりに綺麗な流れで、プハッて吹き出すように笑った。
「流石に冗談。大輝もなんか、企画案だして。」
「んー、俺もお化け屋敷やってみたいな。」
「だよね!流石、よく分かってますわ。」
「お前、まじかよ。」
「うん、驚かすのとか楽しそうじゃね?春馬は包帯グルグル巻きにしてミイラ男でもしーや。」
「それただ暑いだけじゃん。つか、包帯の無駄遣い。」
「確かに。」
「俺はこんにゃく振り回しとくわ。」
「それ途中でお腹空いたからって食べないでよ。」
「誰が食べるか。」