今までだって、私が愛夏ちゃんの目を見つめて話すことはあっても



愛夏ちゃんの方から見つめられることはなかった。





それだけで少し嬉しかった。





「これから検査をするんだけど、


愛夏ちゃんの身体の中に悪いところがないかなー?


って先生達が見てくれるんだよ。」




…………………… 。




「検査って言っても、痛いことはしないし怖くないから大丈夫!



もし、怖かったり痛かったら私がいるから遠慮なく言ってね。」





落ち着かせるように優しく接する。






そうして愛夏ちゃんを車椅子に乗せて


春山先生の待つ診察室へ向かう。