スプーンを渡すと、 愛夏ちゃんは一瞬躊躇った後 顔を見上げ、私を見つめてくる。 愛夏ちゃんに笑ってみせると、恐る恐る手を伸ばしスプーンを受け取る。 ゆっくり、1口……2口とゼリーを口に運ぶ。 (よかった。) その姿を見て 「おいしい?」と尋ねてみる。 心の隅で、愛夏ちゃんが頷くことを期待したが…… やはり、反応が返ってくることはなかった。