結局、彼女が目を覚ましたのは 入院してから2日目の夕方だった。 俺は、いつものように彼女の病室に顔を出していた。 ぼんやりと見つめた先に、彼女の長いまつ毛がほんの少し揺れる。 "えっと…どう声を掛けよう?" 小さい子ども相手に、どう接していいか分からず戸惑う。 "とりあえず" と思い、 ……「おはよう。」 と声を掛けてみる。