そうは言っても、 児童相談所の職員として ここで引き下がることは出来ないと 篠田は固い重いを抱いていた。 実のところ近所の方からも通報があり、 警察の方も一緒に来て待機している。 ここは無理にでも、 部屋に上がるしかないか…… そう考えた篠田は、 横目で田所に合図を送る。 田所は合図を受け、 『本日ご都合がつかないのであれば、また後日、 日を改めて伺わせていただきますが 宜しいでしょうか?』 と断りを入れる。