優勝賞金を巡って、ざわめく穢土の城下町。

リュート達が話しているのを聞いて。

「何言ってやがる、ポッと出の青二才どもが」

1人の大男が言った。

筋骨隆々、見るからに力自慢といった感じの男だ。

が、リュート達には分かる。

「闘気も魔力も感じねぇ…(ヒソヒソ)」

「筋肉も、プロテインで作った見せかけのようだな(ヒソヒソ)」

「離宮の警護役の方が、ずっと強いよ(ヒソヒソ)」

結論、この場限りのモブ。

それでもモブは、さも今後も活躍するライバルキャラの如く語る。

「この大会は、見た所お前らのような餓鬼が賞金目当てで勝ち抜ける生半可な武道大会じゃねぇ。格の差が理解できねぇ未熟者なら、この場で棄権して祖国に帰るんだな」

おまいう。