山中の河原まで出た沖田と伊蔵は、一旦分かれる。

「ふう」

小さく息を吐く伊蔵。

「手強いな。人斬り鬼と謳われただけの事はある。俺が一方的に押されたのは初めてだ」

そう言って伊蔵が腕を振った瞬間。

「!?」

その手元から鎖分銅が伸び、沖田にその尖端が襲いかかる!

咄嗟に刀で弾く沖田。

その隙を狙い、伊蔵は詰め寄る。

巨体に似合わず速い。

そして詰め寄った後に繰り出してきたのは、刀による斬撃ではなく、左の拳!