ヴラドの眉がピクリと動いた。

「馬鹿か祖父殿。それではここまでの計画が水の泡だろう。名は継がずとも、ツェペリの血は俺の体に流れている。俺がこのまま祖父殿の血のみを継続させる。名など何だ、只のお飾りに過ぎぬ。それとも何だ」

口角をつり上げるダンドリッジ。

「それほど名を残したいとは、祖父殿、相当の目立ちたがりか?」

「言ってくれる」

目の前で祖父の体が無数の吸血蝙蝠となり、散り散りになっていった。

「少々張り切り過ぎて疲れた。今宵は屋敷に戻るとしよう。いつもより多めに愛する妻の血を吸うとするか。俺は貴様と違って、主導権を握るマスター側の吸血鬼なのでな、馬鹿孫」

「ほざけ、馬鹿祖父殿」