リュートが言った途端。

「がはっ!」

瞬時にして懐に飛び込んできた土方の刀が、リュートの胸板を薙ぐ!

飛び散る鮮血。

リュートは思わずよろめく。

「近藤団長は、我らにこの天神学園での進むべき道を示してくれた。愚弄は許さんぞ」

「…へっ…随分心酔してんだな…」

胸の傷を庇いながら、顔を顰めながらもリュートは笑う。

「まるでインチキ宗教にどっぷり浸かった信者みてぇだ」

「愚弄は…」

土方はまたも間合いを詰める!

「許さんと言った筈だ!」

今度は刺突!

最短距離で詰め寄ってきた切っ先を回避するリュートだが。

「!?」

その刺突が、途中で横薙ぎに変化。

リュートは脇腹を斬られる!

「よく鍛えている。筋肉の収縮で、刃が深く食い込むのを防いだか」

刀にこびりついた血を、振り払う土方。

「っててて…刺突がいきなり斬撃に変化するとはな…思いもよらねぇ攻撃しやがる…」

立て続けに二撃。

リュートの白い空手着に、血の染みが出来る。

「そんな戦術家のお前が、ホイホイ言う事聞いちまう、近藤って奴は何者だ?」