眩しい光に眉根を潜めながら目を開ければ、閉じていたはずのカーテンが開いていることに気がついた。

いつも朝がきていることすら気づくことの出来ない私には珍しい出来事だった。

どうして、と考えてハッとする。
寝起きのぼんやりとした頭を放って、私は飛び起きるようにベットから起きてリビングへ続くドアを開けた。おっさん。


昨日の夜交わした約束を思い出して、私は泣きたくなった。

カーテンを開けることもせずに温もりすら残さずに消えていくおっさんが、私におっさんを残してくれた。


たったそれだけでも泣きそうになるほど嬉しいのに、ドアを開けた先におっさんが煙草を咥えているのを見た時、もう死んでもいいような気がした。


「なんで、いるの…」

気づけば煙草を吸っているおっさんに構わず抱きついていた。おっさんが危ねぇな、と呆れたような声で言う。

「なんでって、リツカ。お前がいろっていったんだろ?ほら、顔あげろよ」