ミチルとテキトーな会話を交わし、家へ入ろうとしたら、

突然、ドアが開いた。
反射的に驚いたし、そこから出てきたのが、

顔を真っ青にした母さんだったことには

心理的に非常に追い詰められ、

緊張が走った。

母さんはひどく息を切らし、震えていた。

そして、そんな母さんを追うようにして

父さんが家から出てきた。

「カケル!!!お前も俺を裏切るのか‼?」

俺は父さんが何かをわめいてるのを気にもとめず、

ただ母さんの胸元から流れる真っ赤な血を見て、

咄嗟に母さんを逃げさせるのが最優先だと判断した。