由紀が、来た・・・!
ホッ
やっぱり落ち着いちゃうな。
こんな事あったのに
「何があった?」
落ちている髪に、持っているハサミ。
由紀は、ハッっとなにか気がついた。
「麗禾、ぬんの髪の毛切ってないよな?」
「だってこの女、あたしに口答えしてき「黙れ。何やってんだよ!」
あれ、由紀が怒ってるとこはじめて見たかも。
由紀の口は開いたまま、閉じない。
「誰の髪の毛だろうと、切るとかほんと最低だろ。」
由紀。そんなに怒んないで。
って言おうとしていた私の喉は、予定を変更した。
言いたくないわけじゃなくて、言えないんだ。全部全部私のせいだよ。
こんなに由紀が怒ってんのも。麗禾に髪の毛切られちゃったのも。
ごめんね由紀。 ごめんね皆。