-私はあなたしか見えてなかった-





「ぬんちゃん、由紀くん待ってるわよ」

また今日という日が始まった。
私は内西栞。(ウチニシシオリ)




昔、うんって言えなくてぬんって言ってたからぬんとも呼ばれてる。




私は、毎朝親同士が仲のいい河内由紀(カワウチユキ)と一緒に通学してる。



私は昔から由紀のことが好きだった。



「おい、ぬんちゃん。毎朝おせぇんだよ。どれだけ待たせりゃいいと思ってんの?」


「ごめんごめん、由紀ちゃん♡」