俺は沙羅の腕を掴み歩道に繋がる階段を上がった。
「痛い!放して!」
沙羅は、俺の手をはらった。
「沙羅、誰から聞いた!?」
「誰から何を聞こうと、私の、勝手よ!!私は、セラって女を見たいのよ!会わせてよ!」
「何で、お前に会わせなきゃいけない?俺とお前の間には何も無い!何の関係もないんだ!もう、これ以上!俺に付き纏うな!」
俺は、沙羅に向かって大声で怒鳴った、歩道を歩いている人達が、俺を見ていた。
「…死ぬは、私…」
沙羅は、魂が抜けたかのようにポツリと呟きながら言って、人混みの中へ歩きだした。
「勝手にしろ!俺には、関係ない!」
俺は階段を下りて、砂浜を歩きだした。
「……」
俺は、立ち止まり振り返って歩道を見た。

――「心君、まだ来ないのか?」
外へ出てきた、おじちゃんが、私の横で言った。
「うん…どうしたんだろう?…」
「もうすぐ、花火始まっちまうぞ、連絡してみなさい」
「…」
私は、おじちゃんに頷いて返事をした、何だか連絡先を知らないとは言い出せなかった。
「心…どうしたの?花火…始まっちゃうよ…」
(トントン!)
後ろから私は肩を叩かれた。
《!!》
「心!!…」