おじちゃん達の気持ちを、私は素直に受け取った。
「ありがとう!」
毎年の花火大会は、おじちゃん達と…直君と4人で店の中から花火を観ていた…、でも今年は、好きな人と花火を観る事が出来るなんて思ってもみなかった!私は気持ちが高ぶっていた。

――昨日の夜、俺は家を出てから戻ってない。
防波堤で一夜を明かし、そのまま仕事場へ向かった。
「お疲れ…」
俺は、職場の連中に声を掛け、店を出た。
海に向かって歩いていると、浴衣を着た女が多い事に気付いた。
「…花火?」
俺は、セラが居る海へと向かって走りだした。

――日も暮れはじめ、店の外には場所取りをしている人が増えて来た。
私は、店の外に出て砂浜を見渡した。
「遅いなぁ…」
砂浜の人混みの中から、私は心を探していた。

――人混みを、掻き分けながら俺は、砂浜を歩いていた。
「あっ!」
人混みの中で、俺は腕を引っ張られた。
「沙羅!!」
「会わせて!」
沙羅の目が、険しかった。「何言ってるんだ?!会わすって…」
「セラって女よ!海で働いて居るんでしょう!!」
「お前何で、そんな事知って…!」
《誠か?それとも…直って奴が…》
「来い!」