沙羅は、俺の体にきつく抱きついた。
「お願いだ!やめてくれ!」
俺は、沙羅の手を握り振り返った。
「何で…?何で私じゃー駄目なの?ねぇー?私は、こんなに心を想っているのに!」
「ごめん…」
俺は、沙羅の手を放した。
「嫌!嫌よ!」
「頼む!沙羅分かって…」
俺は沙羅にキスされた。
「おい!」
「お願い!心!私を見てよ!」
「やめてくれ!」
俺は、沙羅を突き放した。
「そんなに、セラって子が好きなの?!」
「あぁ…俺は、あいつじゃー、なきゃ駄目なんだ」
俺は、沙羅に素直な気持ちを伝えた。
「…」
沙羅は両手を強く握り締めていた。
「ゆっくり寝ろ…俺ちょっと外に出るから」
俺は、部屋を出て海へと向かった。
「セラ…」
俺は、夜空を見上げた。

――「おばちゃん焼そば二つ!」
「はいよ!」
今日は海で花火大会が有る事もあって、店にも海にも一段と人が集まっていた。
「セラ、今日は早く上がって良いぞ!」
おじちゃんは、ニッコリ笑って言った。
「ん?」
「心君と花火見てきな!」
「…」
「良いのよ!遠慮しないで、お父さんが言っているんだから!」
おじちゃんとおばちゃんは、私に優しく微笑んだ。