「そこ迄、送ってくるね」
「あぁ、気を付けてね!」
おばちゃんは、門の前で私達に手を振って家の中に入った。
「ごめんなさい、疲れたでしょう!?」
「全然、疲れてないよ…おじさん達に会って良かった…本当に好い人達だな!セラが、羨ましい…初めてだよ、家庭の家に上がって食事をしたのは、家の空気が温かかった…」
「心…」
私は、心の手を掴み腕に手を回し腕に頬を寄せた。
「セラ…いつも俺の傍に居てくれな」
「…私の方こそ、心に傍に居て欲しい…ずっと、ずっと、ずーっと…」
俺は、立ち止まりセラを抱き寄せた。
「…心…好きです、愛してます…」
「セラ…俺も」
私達は、潮風の香りに包まれながら、キスをした。
「もう、ここで」
「公園まで送る」
「駄目だ、坂道大変だろ!街灯も少ないし暗い」
「平気、坂道慣れてるし!」
「駄目だ、帰れ」
「分かりました…」
「よし!行け」
俺はセラの肩に両手を置いて、ポンっと叩いた。
《セラ、愛してる》
俺は、心の中でセラの背中に向かって言った。
私は、後ろを振り返り手を振った。
足を庇いながら後ろ向きで手を振るセラに、俺は大きく手を振った…セラの姿が見えなくなるまで。