「おばちゃん」
私は、おばちゃんに抱きついた。
「幸せになりなさい!セラは幸せにならないといけないんだからね!恋を楽しまなきゃ!ねっ!」
「うん!うん!ありがとう!」
おばちゃんの温かい手が、私の背中を優しく叩いていた。
「さっ!煮物持っていって!」
「はい!」
おばちゃんはエプロンで涙を拭き、私の涙も拭いてくれた。
「どうぞ!」
俺は、おじさんにお酒を注いだ。
「あぁ、ありがとう…心君ご両親は?」
「あっ…はい、両親は居ません、捨てられました」
俺は、少し笑いながら言った。
「…ごめんよ!悪い事を聞いたな…」
「いいえ!そんな事ないです!」
おじさんの目には、涙が浮かんでいた。
「お待ち遠様!これ、おばちゃんの自慢の煮物なの!食べて!」
「おっ!旨そう!!頂きます!」
私達は四人でテーブルを囲み楽しく、夕食を食べ…話をして…笑った…この日私達は家族になった。
酔って寝てしまった、おじちゃんに心は、お辞儀をして家を出た。
「すみません!遅く迄!ご馳走様でした!」
「いいのよ!楽しかった!また来てね!…心君、セラの事宜しくね!」
「はい!失礼します」
おばさんは、門迄出て来てくれた。