仕事が終わり、俺は裏口から店を出た。
(シュッボッ)
俺は、煙草に火を点けた。
「ふぅー…」
沙羅は帰ったのか、それともどこかへ行ったのかは知らないが、休憩所に戻った時には、沙羅の姿は消えていた。
俺の足は、海へと向かって歩きだした。
いつもは、帰りの道が長く…重く感じていたが、今日は、足取りが軽く、セラの顔が早く見たいと思い歩くスピードを上げ、鼻歌までも出てしまう。
信号を渡り歩道の横の階段を下りれば海だ!浮ついた気持ちで俺は、信号待ちをしていると、後ろから肩を叩かれた。
(トントン!)
後ろを振り向くと…。
「やぁー!」
俺の目の前には、直とか言う奴が立って居た。
「チッ!何だよ!わざわさ声かけんな!」
「ひどい言い方だなぁ!?知っている人が居れば、声をかけるだろ?!」
「かけねぇーよ!俺は!気にくわねぇー奴を見付けたら!ペッ!」
俺は地面に向かって唾を吐いた。
《早く、信号青になれ!!》
「僕は、違うなぁ!だって…」
(ドンッ!!)
隣に居た直が、横に飛ばされた。
「心!」
「お前!!」
俺の目の前に、また沙羅が現われた!。
「痛っ…、君!!」
直は、沙羅の後ろから俺を見た。