「心、喉渇いた!なんか飲み物ないの?」
「はぁ!?ねぇーよ!さっさと帰れ!」
「帰れって言われても、帰る所ないもん!」
「帰る所ないって…お前!?」
「そぉー!住み込みで働いていた所、辞めちゃったぁ…だって!私も!都会の暮らしを味わいたいしぃ!絶対!20歳になったら、心が居る都会に私も一緒に暮らしたいって思って!一生懸命働いて、貯金もそれなりに貯まったしぃ!でねぇ…」
「駄目だ!帰れ!」
俺は、沙羅が言いたい事が分かった。
「ちょっと!私は、まだ何も!…」
「何もじゃー、ねぇーよ!バカヤロー!帰れ!」
「ひどいよ…」
沙羅は、俺の目をみて、目を潤ませた。
「お前が嘘泣きが、得意なのは知ってる、芝居なんかすんな!」
沙羅、ゆっくり立ち上がり、俺の方に向かって歩いて来た、俺の右腕を握り、腕に顔を寄せた。
「芝居じゃないよ…私が、心の事好きなのは、知ってるでしょう!?心の事をずっと想い続けてきた!私は!心の傍に居たいの!」
「迷惑だ!帰れ!」
「心!!」
俺は、しがみ付く腕をはらった。
「帰れよ!」
「帰らない!」
「勝手にしろ!俺は仕事に戻る!」
俺は、沙羅を休憩所に残し休憩所を出た。