男は、冷静な目で、俺を見透かす様に言った。
「何だと?!」
「僕は、見た目で判断してしまう事がある、僕が見たところ、君とセラは釣り合わない!それに結婚をしたわけでは無い、僕は、セラを諦めない」
「てめぇー!」

俺は、男の胸座を掴み高く右手を上げた。
「フッ!殴りたいなら殴ればいい!暴力を振るう奴は、セラと釣り合わないんだよ!!」
「…」
俺は、拳を下げた。
「僕の気持ちは、セラにも…貴方にも伝えました、では、失礼」
「…」
男は、床に落ちた鞄を叩き、公園を出て行った。
《俺にとって、セラは一期一会だ…釣り合う、釣り合わないなんて関係ない!…それなのに何で、あいつを殴らなかったんだ!俺は…》

(コン!コン!)
「はい!どうぞ」
部屋のドアが開いた。
「帰ってきたか」
「おじちゃん!うん、さっき帰った来た」
「そうか、体調は平気か?」
「うん…おじちゃん、何か私に用事でもあるんじゃ…?」
「あぁ…うん、ちょっと…下、下りてきなさい」
「うん…」
いつもは、滅多に部屋に来る事が無い、おじちゃんが部屋には入らず私の目を見て話さないでドアの前で、何だか落ち着きが無く、下に下りていった。