『おじちゃん…』
目の前の、おじちゃんの顔が私の涙で歪んだ。
『痛い…』
右足が痛みだした。
『セラ!』
おばちゃんは、椅子から立ち上がり私の右足の太もも部分を擦った。
『違うよ!足…右足首が痛い!!』
おばちゃんとおじちゃんは目を合わせて驚いていた。
『セラ…あなたの右足首は…』
『痛い!痛いの!!痛いよ!足首擦ってよ!』
私は、おばちゃんの腕を強く掴み言った。
『うっ、セ…ラ…』
おばちゃんの口元が震えていた。
『母さん…』
おじちゃんは、おばちゃんの肩に手を置いた。
『痛いよ…お願い!擦ってよ!』
おじちゃんは、無い右足首を擦ってくれた…。
『セラ…どうだ?まだ痛むか?』
不思議な感じだった…右足は膝から、もう無いのに擦ってくれている感覚があった。
『おじちゃん…ありがとう…』
おじちゃんは、ベッドの布団を擦ってくれていた。
『お父さん…私が…』
おばちゃんは、唇を噛み締めて擦った。
『おばちゃん…ありがとう…気持ちいいよ』
私は、ゆっくり目を閉じ。
後から先生に聞いた話だが、術後は、切断した足の幻覚や幻があると言っていた。