「セラは、心の事好きだぞ…俺は女の気持ちには、敏感なんだよな!」
誠は、ニッコリ笑って言った。
「あいつが?…何で分かるんだ?」
「心は、いつもそうだな!恋してる男を見る目が違うんだよ!女の目は!…セラは普通の子みたいにヤッてポイなんてしちゃいけない子だ…心が、今まで付き合ってきた女のような扱いもしちゃいけない…思わせ振りで店に行くなら、行かない方がセラの為だ!セラが苦しんで傷つくだけだろ?」
俺は、誠の言葉を重く感じた…。
《苦しむ…傷つく…そんなことは…》
「分かったか?心?!」
「…」
《俺は…俺は…》
「心?!」
「俺は…あいつを…セラを傷つけたりは、しない…」
「えっ!?」
「俺は、セラの事が好きなのかもしれない…」
「心!?どうしたんだよ?!」
誠は、俺の肩を揺らし顔を覗いた。
「まだ、分からねぇーけど、セラといると安らぐんだ…」
「心…お前、セラは普通の子と違うんだぞ?女を恨んでいる、お前が?本気になれんのか?!」

そうだ…俺は、母親に捨てられてから女を恨んでいる…信用なんか出来なかった…所詮女は皆同じだ、今まで付き合ってきた女を、ゴミの様に扱って捨ててきた…。