《俺は…こいつを…セラの事が好きなのか?それとも同情か?…こんな感情は…始めてだ…これが恋なのか?》
「いいえ…心さんには、聞いてほしい…私の父親は私が小学校6年の時、蒸発して、その1年後母も私の前から消えてしまった…それで私は、おばちゃん達に育てて貰ったんです…」
セラは、笑顔を見せながら話した。
《俺と…似ている…何故?笑顔で話せるんだ?憎んでは居ないのか?……》
「いい人達だな…」
「はい!とっても!病気になった時も本当の娘の様に……」
セラの笑顔が消えた、両手で顔を隠している。
「お前…セラは気持ちが優しいんだな…だから、いい人に出会えるんだ…」
「そんな事は……私は……嫌な人間で……五体満足で足を出して洋服を着たりしているのを見ると……同じ年代の子を見て……僻んだりするし……私は…」
セラは、しゃくり上げながら泣いた。
俺はセラの頭を肩に引き寄せた。
「俺も、僻んだりする…家族連れを見たりすると、俺は親父の顔は知らない、お袋は…俺が3歳の時俺を捨てたんだ…」
「そんな…」
私は心さんの肩に顔を埋めた。
「俺と…セラ、似ているな境遇が…」
小窓から太陽の光が射し込んでいた。