「何だよ!心だって飯旨かったって言ってただろう!」
「言ったけど!…誠が店決めるなよ!」
「何だよ!どうしたんだよ!店くらいで!」
誠はイラついていた。
俺も何故ここまでして、あの店に行くのを拒んでいるのかも分からなかった…。
「じゃーこうしようぜ!ジャンケンだ!」
そう言って誠は、ニッコリ笑いながら言った。
「ジャンケン!?」
「そう!一本勝負!どっちが、負けても文句は言わない!分かったな?」
「…」
「せーの!!」
…………………………………
「腹減ったぁー!」
「いらっしゃいませ!…」振り返ると、心さんと友達が立ってた。
《心さんだ…》
「セラ!?……いらっしゃいませ!どうぞ、お好きな席へ」
私は立ち尽くしていた。
おばちゃんは、心さん達に席に通した。
《どうしょう…ドキドキが止まらないよ…心臓が壊れたよ…》
「セラ!どうしたの?!具合でも悪いの?!」
「あっ!ごめん、おばちゃん平気!」
「無理しないでよ!」
「うん」
お水を出さなきゃ!コップを持つ手が震える…。
《落ち着け!落ち着け私!こんな時は…そう!深呼吸だ!》
「すぅーはぁー…よしっ!」
《笑顔!笑顔で!》