「あぁ…可愛いな」


「…私、心と出逢えて良かった…」


≪………≫


俺の隣に座るセラが、そう言いながら、俺の肩に頭をのせた。


「…俺もだ…」


心は、そう言って私の肩を抱きしめた。


「…セイラも、心みたいな人と出逢って幸せになってほしい…」


「………」


「…奇麗な海…なんだか、吸い込まれてしまいそう…」


俺は、その言葉を聞いて、セラを強く抱きしめた。



「…久しぶりの私の料理美味しかったかな」



「美味しかったよ、また作ってほしい…」



「よかった…」



俺の返事にセラは、また作るとは言ってくれなかった。



「…これ見て」



セラは、ポケットから木箱を出し蓋を開けた。



「オルゴール…別れの曲」



「持ってきたのか…」



「うん、だって私の宝物だから…」


「…………」


セラは、目を閉じ耳元にオルゴールを寄せ聴いていた。


「…天使は、いるよね…」



「いるよ…」



俺は、セラの手を握った。



「…よかった…でも、怖いよ……私…怖い…」



セラの涙が、オルゴールに落ちた。


「俺が、いる…」