「…私が、お父さんの代わりに、バージンロード…セラと歩いてもいいかしら…」



「もちろん…ありがとう」


私は、お母さんが引く手に委ね、タキシードを着て立つ心の元へ、一歩一歩近づいて行った。




「…心君…宜しくお願いします…」


お母さんは、俺に深く頭を下げ、セラの手を俺の手に重ねた。


「はい」


心は、お母さんに頭を下げた。



「…心」


「…セラ」


「…ありがとう…」


「…泣くなよ…せっかく奇麗なのに」


俺は、セラの涙をふいた。



「…だって…嬉しくて…」



「結婚式…俺達してなかったから…セラのドレス姿見たかった…」


「……うん…」


セラは、涙を拭きながら返事をした。



「…もう泣くな、セイラも見てるぞ…」


「………」


セイラは、直君に抱っこされながら、私を見ているようだった。


お母さん、直君、セイラ、松村先生、誠さん、沙羅さん……そして、お母さんの膝の上には、笑顔のお父さんの写真が私を見ていた。



「…セラ、ずっと…ずっと俺の隣に居てくれ…俺は、生涯セラを愛し続ける…セラは…」



「…………」