「心が、急に仕事が入って迎えに来れないらしいから、俺達が来たんだ」



「すみません…ありがとうございます」


「そんな何を謝っているのよ!」


沙羅さんは、私の肩を抱いて笑顔で言った。


「…沙羅さん」


「その代わりに、ちょっと付きあって欲しい所が、有るんだよね!」


誠さんと沙羅さんは、お互い顔を合わせ笑っていた。



≪………≫







誠さんが、運転する車が教会に停まった。


「…誠さん…ここ…」



「私達ね、結婚する事になったの」


私の隣に座っていた沙羅さんが言った。


「えっ!?…あっ、おめでとうございます」


「でね、ちょっと一緒にドレスを見てほしくてね」



「ドレス?…」





私と沙羅さんは、小部屋に向かった。



「誠は、あっちで待ってて!」


沙羅さんは、誠さんの背中を押した。



「ここに座って待ってて!」


沙羅さんは、私に椅子を出し部屋を出ていった。



≪…結婚式…≫


私は、左の薬指の指輪を見た。


(ガチャッ!)


「お待たせ!これなんだよね!」


沙羅さんは、ドレスを抱え笑顔を見せた。