俺は、セラの事が心配で不安だったが、セラとセイラを残し、病院に居た。



「心?」

俺の前に立つ白衣を着た直が、俺の顔を覗いた。


「直…」

「どうした?セラ具合でも…」

「いや、違うんだ今日は、お母さんの…」

「…おばちゃん」

「…直、悪い!ちょっとセラが心配なんだ、また戻ってくるから、お母さん頼めるか!?」


俺は、直の腕を掴み言った。

「あぁ、わかった」

「ありがとう!」

俺は、病院を出て急いで車に乗り込んだ。




「…セイラ…私の事、忘れないでね…ママを忘れないで…」

私は、ハサミで自分の髪の毛を少し切った。

「…少しでも…私の……」


私は、小さい箱に髪の毛を入れた。





俺は、玄関の前に車を止め玄関の扉を開けた。


「セラ!」

静まりかえった、部屋から微かにセイラの声が、聞こえた。

≪………≫

「…セラ?」

俺は、部屋の扉を開けた。



「…………」



ベッドの上で、セイラは少し微笑んでいた。

そのベッドに凭れるようにセラがいた。

「…セラ…」

俺は、セラの肩を揺すった。

(ガタッ!!)

セラは、力無く倒れた。