「あぁ、じゃー宜しく頼むよ」


(ピッ…)



俺は、携帯電話をテーブルに置き、セイラを抱き上げた。


「セイラ、ママの奇麗な姿を魅せてやるからな…写真じゃなく、セイラの眼に頭に記憶を残していてくれ…」


セイラの奇麗な瞳には、俺の姿が映っていた。









「心」


キッチンに立つ俺に、セラの声が届いた。


「どうした」


「今日は、調子がいいみたい」


そう言ってセラは、微笑んだ。


「そうか、…少し外の空気でもすうか」


心は、私の肩を支えながら庭の椅子に座らせた。


「…久しぶり」


「あぁ…」


セラは、真っ青な空を見上げ、目を綴じ太陽の光や暖かさを感じているようだった。


「…セイラ連れてくるから」


「うん…」


息をゆっくり吸うと、太陽の匂いと海の匂いが、私の体に深く入ってきた。



「…生きてる…」






「…セラ」


私を呼ぶ声に振り返ると誠さんが、立っていた。


「…誠さん!、あっ…」



誠さんの後ろに隠れるように、沙羅さんが立っていた。