「……先生…」
私は、松村先生を抱きしめた。
先生は、私の背中を優しく摩ってくれた。
「………」
俺は、セラの小さな背中を見ていることしかできなかった。
その数日後から、セラは薬を飲むと、嘔吐しはじめ食事は、お粥を口に入れるが直ぐに吐いてしまっていた。
「…ごめんね…せっかく心が作ってくれたのに…」
「いいんだよ、気にすることない」
俺は、セラをベッドに寝かせた。
「…心の夏休み…」
「大丈夫、まだ残ってるから…明日セラの体調がよければ…」
「心…」
セラは、俺の手を握りしめた。
「どうした」
「…セイラを幸せにしてあげて…」
俺は、優しい笑顔で言ったセラの顔を見て、息をのんだ。
「…幸せにするよ、セイラ…セラも3人で幸せになろう…必ず…」
俺は、セラが握る手を握り返した。
「…うん、ありがとう…」
心の優しさが、私の胸をしめつけ痛かった。
セラの、綴じた目元から奇麗な涙が流れた。