「おい…暗くなるなよ、せっかくの酒が不味くなるだろ」

俺は、直の肩を叩いた。



「あっ、ケーキ!ケーキ食べない?松村先生も、ねっ!」

「あー、ありがとう」


セラは、そう言ってキッチンに行った。

「…俺は、セラの事を本当に愛してた…」

「直…」

「…セラの、あの笑顔…俺の前では、見せた事がない…本当にセラは、心の事だけを愛しているんだな…」


「…………」

俺と松村先生は、黙って直の話を聞いていた。

「…セラと出逢ってくれて、ありがとう…それにセラを愛してくれて、ありがとう」

直は、俺の手を握った。



「…俺も直に礼を言いたい…直、セラを愛してくれて、ありがとう……これから先もセラを愛していく…幸せにしてみせるから…」



私は、心と直君の会話を聞いていた。

≪………≫

「…お待たせ!さっ、ケーキを食べて!美味しいわよ!」

私は、笑顔でテーブルにケーキを置いた。





「…先生、今日は、本当にありがとう…」

私は、玄関先で松村先生に頭を下げた。

「礼を言うのは、こっちだよ!美味しい食事に招待してもらったんだ…ありがとう、セラちゃん」