(ガチャ)
扉が、重い音で開いた。


「ごめんね、待たせちゃって」

そう言って松村先生は、ゆっくりと、私達の前に座った。

「…先生、セラに全てを話…ここに来ました」

「…先生」

私は、松村先生の目をみた。

≪………先生≫

「…うん…」

松村先生は、私に微笑みカルテを見た。

診察室には、長い沈黙が流れた。

「…先生、正直に言ってほしい…治療をしなかったら、後どの位まで、私は……」

松村先生は、私を見つめ口を開いた。

「……治療をしたら……半年……しなければ……」


松村先生は、涙で言葉を詰まりながら言った。

≪………≫
松村先生の言葉を聞くと同時に、私の手を握る心の手に力が入った。

心は、詰まった息を吐くように、息を大きく出した。

「……そんな!…半年…って…そんな馬鹿な事が、あるか!!」
心は、松村先生の胸ぐらを掴み涙で顔をぐちゃぐちゃにした。

「…心君…」
私は、一人……冷静で、心と松村先生を見ていた。


「…先生!!…嘘だと!…嘘だと言ってくれ!!」


「……今の医療…」

「医療が、なんだって言うんだよ!!あんたは、医者だろ!!」