一人の人間の命を育てる事の大変さを感じながら…私は1日1日を大事に生きていた。
セイラの小さな出来事をいつまでも見守っていける事が、私には………できるかな……。
初めての言葉…。
初めての離乳食…。
初めてのハイハイ…。
初めての…………。
考えたらきりがないが、私には大事な事…その初めてを私の目で見れる事を今は、願いながら生きよう……。





――セラ、セイラ、お母さん、俺の4人の生活は、毎日が楽しく1日の時間が、あっと言う間に過ぎていった。
「いってらっしゃい」
セラは、セイラの手を振った。
俺は、セイラの手を握った。
「セイラ行ってきます、…セラ無理はするなよ!疲れたら…」
「横になって休む!…でしょ!」
セラは、笑顔で微笑んだ。

「あぁ、じゃー、行ってきます!」

笑顔で仕事に出掛けた心を見送り、セイラと二人だけの時間が穏やかに凪がれていった。

「セイラ、今日は暖かいから少し太陽を浴びようか」

私は、セイラを抱え庭に出た。
「太陽の匂い…海の潮の香り…気持ちいいねセイラ…」




「…桜!?」
「あぁ!桜を探しているんだ!」
誠は、難しい顔をして首を傾げた。