「…気のせいか……花の水かえてくるな…」
俺は、花瓶を手に取りドアに向かって歩き出した。

「…ん……心……」
≪…!?≫
弱々しい声で俺の名前をセラは呼んだ。
振り返ると、セラは俺を見て微笑んだ。
「……セラ」



――その後、セラは松村先生、直が驚くぐらいに体力が、回復していった……――。


――1ヶ月後――。


「ありがとうございました!」
俺は、松村先生と直に深く頭を下げた。
「…松村先生ありがとう…」
セラは自分の腕の中で眠るセイラを、大事に抱え言った。
「ありがとうの言葉は、いらないよ…セラちゃんが一生懸命闘ったんだ……ねっ、心君…」
「……はい…」
「ううん…皆が居てくれたから…私は元気になれた…こうしてセイラを…」
セラの目から涙が落ちた。

「…セラ…」
俺は、セラの肩を抱いた。

「…花見!」
突然、直が口を開いた。

「花見?…」
俺とセラと松村先生が目を合わせた。
「あぁ!ギリギリで桜の花見が出来るかもしれないぞ!!」
「でも、もう…」
セラは、寂しそうに呟いた。
「…見付けてくるよ!!俺と直で!…なっ!」
「あぁ!!必ず!」
「…ありがとう…」