お母さんと俺はベンチに座りお互い口を開くのを待っているかのように、静かに時間がながれた。
「…………」
「……セラ……元気になるわよね…」
お母さんは、静かに言った。
「……もちろん…セラは元気になる…そう約束したんだ…」
「約束?」
「…セイラと指切りを…」

「…………」
「…俺達は、幸せな未来に向かって歩き始める……だからセラは絶対元気になる……」
「……そうよね…」


俺は、お母さんに言った言葉を自分に言い聞かせているように感じた。


俺は、病室に戻りセラの横に座った。
「…セラ…早く元気にならないとセイラに置いていかれるぞ…セイラは日に日に元気で体重も増えている…俺一人じゃ…セイラを育てていけない……お前が居なきゃ…」
俺はセラの頬に触れ、おでこにキスをした。
「……今日は天気がいいぞ」
病室のカーテンを引くと、眩しい太陽の光が俺の目を射した。
「うっ!……」
俺は目に手をあてた。

≪……光………≫

俺は太陽に背を向けセラを見た。
「………」
一瞬セラの眉間がピクッと動いたように見えた。
「セラ?…」
セラの全身に太陽の光があたり輝いていた。
「…………」