私は笑顔で答えた。
「そしたら…俺が医者になったら……」
直君は、私の目を見詰めていた。
「何?どうしたの?」
「医者になったら…」
「なったら?」
「俺と…俺と付き合ってくれ!」
「えっ?付き合う!?…付き合うって…直君が私の彼氏になるって事?!」
《どうしよう!何?何て答えればいいの!?》
私は、足を無くしてから足が無いと分かっていた上で男の人に告白をされるのが初めての事で気が動転していた。
「…」
「ブッー!冗談だよ!」
《えっ?》
直君は、笑いながら言った。
「付き合ってくれって言ったのは、俺が医者になれたら、祝杯に付き合ってくれって事!」
「なーんだぁー!ビックリした!本気かと思っちゃったよ!からかわないでよね!」
私は直君の腕を叩いた。
「本気だったら、どうする?」
「何よ?また、からかってんの!やめてよね!私が普通の恋愛なんて出来る訳ないし…皆逃げてくよ…」
《あっ…》
直君は、私を強く抱きしめた。
「そんな事ない、セラは良い子だよ、足が無くても恋愛だって結婚だってしていいんだ!」
「でも…私は…」
「シィー!その先は言うな!安心しろ!俺がセラを守から!」

《直君…》