「えっ?!」
「別れの曲って言うのよ…」
「…別れの曲…」
「悲しい音色だけど中間と最後に私には、光が見えるの…」
「光?」
「そう…別れてしまっても悲しくない…いつかまたきっと逢えるって…光がまた結びつけてくれるって、そんな風に思いながら私は、この音楽を聴いて好きになったのよ」
「………」
心は、何かを考えているのか黙ったままラジオをから流れている音楽を聴いていた。



車から外に出ると、北風が背中を押した。
「風邪引くぞ!」
心の温もりが残るジャンパーを私の肩に掛けてくれた。
「心が、風邪引いちゃうよ!」
私は、ジャンパーに手をかけた。
「俺は平気、男だから!セラが着てろ!」
心は、そう言ってジャンパーのボタンをとめた。
「…ありがとう」
「さっ!星を見よう!流れ星が見えるかな!?」
心は私の肩を引き寄せ肩を抱きながら歩きだした。



山に囲まれ辺りは真っ暗で芝生の上に二人で寝っ転がった。
真っ暗な空には、キラキラと輝く無数の星があった。

「…星が落ちてきそう…」
セラの横顔は、夜空に輝く星と同じくらいに輝いていた。
「あぁ、手を伸ばしたら星を掴めそうだな」
「………」