誠の目が怖かった。
「毎日!毎日!自分を愛してくれてる女が弁当を作って食べる!!…羨ましいぞ…お前…」
左手に菓子パン、右手に牛乳を持ってる誠は、地面に顔を向けた。
≪………≫
「…弁当つまむか?」

「…いいよ、心の弁当だろ」
≪……喰いづらい…≫
「…んっ!」
俺は、食いかけの弁当を誠に差し出した。
「いいよ!」
「食いかけのでいいなら食え!その代わりパンをよこせ!」
俺は、誠のパンを奪い大きな口で一口食った。
「…悪いな」
そう言って誠は、結局セラが作った弁当を綺麗に食べた。

――私は、お母さんに部屋の片付けを頼み病院に来ていた。

「どうだい?セラちゃん、最近体に変わった様子あるかな?」
「あると言えばあるんです…」
私は、松村先生に言った。
「どんな事かな?」
「…お腹で赤ちゃんが、動いて蹴られる事かな!」

私は、ふざけていった。

松村先生は、咳払いをして口を開いた。
「…セラちゃん先生が言いたい事は…」
「分かっています!ごめんなさい…でも先生が聞きたい変わった事は無いから安心して!」
私は、笑って答えた。
「……本当だね?」
松村先生に見つめられ、背中に汗をかいた。