「…デコボコだな…」
マフラーを見ながら私は、クスッと笑った。
≪!?≫
マフラーを持つ手が震えだした。
「…やだ…」
私は、マフラーを挟みながら両手を強く握った。
「止まって!…止まって!…」
私は、目を強く閉じた。



――「…で?その後セラの調子はどうなんだ?」
誠は、菓子パンを大きな口で一口食った。
「…分からない…」
「分からないって!…」
「俺だって知りたいんだ!!…今…セラの体にどんな異変があるのか…知りたい…」
俺は頭を抱えた。
「心…」

≪セラ…俺には嘘をつかないでくれ…我慢をしないでくれ…≫



――「セラ?」
ベッドで眠る私に、お母さんは声を掛けた。
「…ん?…何?」
枕元の電気が眩しく感じた。
「どこか具合でも悪いの?」
「…ううん平気よ…ちょっと眠かっただけ…」
私は、目を擦り言った。
「なら、いいけど…具合が悪いなら言ってよね!?」
「大丈夫よ!…アレ!?今何時?!」
「6時になるわ…もうそろそろ心君帰って…」

(ただいま!)
「心!…」
「噂をすればだわね!」
お母さんは、クスッと笑った。
「…お母さん!」
私は、部屋を出るお母さんをひき止めた。