心は、私を抱きしめた。
「何で謝るの?…」
私は、心の腕の中で小さな声で言った。
≪謝るのは私の方だよ…≫
「…不安な時に居てやれなくて…」
「…今日の事を言ってるの…」
「………」
心は、黙ったまま頷いた。
「…平気よ…それに24時間私と居てなんて言えない!」
「えっ?」
セラは、俺の腕から離れた。
「だって!心には仕事してもらわないと!赤ちゃんが生きていけないでしょう?!」
セラは、クスッと笑って俺の鼻を軽くつまんだ。
「…だな…でも、俺は24時間ずっとセラと居たい…セラを見ていたい…」
心は自分のおでこと、私のおでこを付けて言った。

≪私も24時間ずっと…心を見ていたいよ≫



この夜私と心は、お互いに強く抱きしめたあったまま眠った……。
目を覚ました時、お互いの寝息を確認できる距離にいた。



あの初めての激痛が、私の体を襲った日から2週間がたち…あれからは激痛は無い……いつまで皆に隠し通せるかは分からないが……出来るだけ、この子が…無事に生まれるまで私は、頑張る……。



2月が終わる頃だった…。

「できた!!」
私は、不器用ながらもやっとマフラーを編み終えた。