松村先生の顔は、いつもの顔と変わりは無いように見えたが…直の顔付きは普段と違った。
≪………≫
「…セラちゃん!」
松村先生は、私の方に体を向けて私の名前を呼んだ。
「はい…」
「…赤ちゃん元気で良かったね!」
「はい…」
≪………≫
私は、松村先生とは付き合いが長い……何か言いたいことがあるんだ……。
「…先生?」
「ん?」
「…言って下さい…何か私に黙っていることが有るなら…言って」
≪セラ!≫
俺はセラを見た。
「…セラちゃん…」
「先生は私に嘘つけないよ…だって私、先生の嘘を感じて分かっちゃうんだよね!…」
セラは、微笑んで言っていたが…心の中は……。
≪!?…心≫
心は、私の手を握った。
「…先生!セラに…セラに俺から話をします…」
「心君…」
「心?…」
心は、私の手を握ったまま口を開いた。
「…病気が…病気が進んできてる…」
「………」
セラは、表情変えずに俺を見ている。
「薬を変えた方がいいらしいんだ…今のままじゃ…お前の体がもたない…でも…薬を変えたら…お腹の子…薬の影響で何らなの障害が…あるかもしれない…」
「…………」
セラは天使の微笑みで俺を見ている。