時計の針が、7時を過ぎた頃、心がやっと帰ってきた。
「…心…」
「何?」
心は、いつもと変わらない感じだったが…何か違う……。
「………」
「…セラ?」
セラは、俺の顔を見たまま口を閉じた。
「…あっ!ごめん…あのね、赤ちゃんの名前どうしようか?…」
「セラ?何かあったか?」
「ううん、何も…どうして?」
私は、心の顔を見た。
「いや、別に…なんとなく思っただけだよ!」
「そう…」

俺達は…お互い何かを探りあうような距離にいた……。


――あれから、2週間が過ぎようとしていた。
「セラ!」
私は、病院の入り口で立ち止まり振り返った。
「心!?」
息を切らしながら、私の手を握った。
「…俺も!…俺も行くよ!…」
心は、息を切らしながら言った。
「どうしたの?!突然?」
「検診だろ!」
「…う、うん…」
「行こう!」
私は、心行動に戸惑いながらも病院に入った。


――……俺は、気になっていた…松村先生と直の口から、セラの体の事を…

「…心!」
≪…!?≫
俺は、肩を叩かれ名前を耳元で呼ばれ隣に座るセラを見た。
「…あっ!ごめん!」
「何をそんなに考えてるの?何度も呼んでるのに…」