「お前だけの問題じゃない!セラの体の事だ!セラ本人にもこの事を…」
「セラは、薬を変えることはしない!!あいつは、自分の体より命より…子どもの体を選ぶ…」
「…そんな事をしたら…」
「…あぁ…分かってるよ…だから!!…」
(プルルルルッ!…)
また、携帯電話が鳴った。
「…出ろよ!セラだろ…」
「…今は…無理だ…」
(プルルルルッ!…)
「貸せ!」
「おいっ!…」
俺の携帯電話を、誠は奪い電話のボタンを押した。


――「…もしもし!心!?」
電話口で聞こえた声は、心ではなかった。
「誠さん?…あっ、はい…はい…分かりました…じゃーお願いします……」
私は、電話を切った。
心と誠さん偶然会い、二人で遊んでいると……そんなはず……直君に電話をした時は…(…心とは結局、寺には行ってないんだ…家の近くで別れた…)直君は、そう言っていた…何かあったんだ…でなきゃ…心が黙って……。
私は、嫌な予感がした。


――「…セラには、すべて隠さずに話すことだ…二人で解決することだ…一人じゃなく…二人で!…わかったな!」
誠は、携帯電話を俺の手の上に載せていった。
「…心配してる…セラの元に帰れ…」