「…ありがとうね…お父さんも喜んでいるわ…」
おばさんは、そう言って涙を流した。
「…お母さん…」
私は、お母さんの手を握った。
「…もっと早く、おじさんとおばさんに言わなければ、いけなかったのに…すみません…」
心は、そう言って頭を床につけた。
「心…」
「…セラとお腹の子は、必ず俺が守ります!!必ず幸せにします!!お願いします!!俺とセラの結婚を許してください!!」
「…心…」
「…許すも許さないも無いわよ!待ってたのよ…」
「えっ!?」
俺は、おばさんの言葉に頭を上げた。
「…セラは、ずっと心君を想い続けた…心君…あなたもよね…小さな出来事が、あなた達を引き裂いて傷つけてしまった…お父さんも、あなた達の事を最後まで心配してた…セラのお腹に心君の赤ちゃんが宿っていると聞いて、私は、本当に嬉しかった…」
「お母さん…」
「………」
「…セラ!幸せになりなさい!お父さんも望んでいたことよ!心君と幸せになりなさい!…心君…セラを、お願いします…幸せにしてやってください!…」
お母さんは、心に頭を下げた。
「ありがとうございます!!」
心は、頭を上げ胸に手を入れて小さな箱を出した。